山形大学天文台計画 (Yamagata Astronomical Observatory)
博士課程新設にともなう建物増築に付随して屋上に望遠鏡を 設置要求しました。施設部では開かれた大学の目玉として 概算要求してみようということで、現在、要求を取り纒めて います。実現するかどうかはまったくわかりませんが頑張って この作業を進めたいと思っています。
目的
・爆発する高エネルギー天体の解明
・地域に開かれた大学をめざす

背景

宇宙における元素の合成は地球環境の基盤を与え、超高エネルギー
宇宙線はたえず降り注ぎ地球環境に影響を与えている。このような
地球環境を取り巻く宇宙の進化と構造の教育研究は本学理工学研究
科「共生圏発達科学講座」における中心課題のひとつである。

 この課題については、宇宙での元素合成プロセス、超高エネルギ
ー宇宙線の加速理論とその計測、星や惑星系の形成などにおいて既
に本研究科では研究成果を上げ発展しているところである。宇宙の
観測においてはこれまで宇宙X線の観測で成果をあげてきたが、爆
発的高エネルギー現象をともなう天体の可視光望遠鏡(冷却CCD
を装備した口径50cmカセグレン光学系)による観測は新たな研究成果
を生むものとして期待される。

----------超新星残骸、ガンマ線バーストの図

研究の目的と予想される成果

 急激な核反応や爆発的高エネルギー粒子放出をともなう、激変星・
超新星の観測、また、現在、その起源が不明なガンマ線バーストと
呼ばれる高エネルギー現象の光学対応天体の探査を主目的とする。
これによって、爆発的高エネルギー粒子加速の機構、激変星・超新
星の爆発の機構、ガンマ線バーストの発生機構の研究を行なう。

急激な天体核反応の研究、宇宙X線の計測、ガンマ線バーストの発
生理論などで既に本学は多くの研究成果を出している。とくに昨年
は、超新星爆発の後に出来るパルサーと呼ばれる天体からの最も高
速のX線パルスを検出しその結果は国際天文学連合速報で報告し、 
さらにNHKデレビでも一般に広く紹介された。

-------- 論文の引用、ぱるす波形、NHK記録ーーーーーー

これらの研究の延長の上に、本学に光学望遠鏡を設置し爆発的に急
激に変動する天体の精密な波長別の光度の測定することが出来る。
これによって、爆発的高エネルギー粒子加速の機構、激変星・超新
星の爆発の機構、ガンマ線バーストの発生機構の解明の鍵になるデ
ータが得られる。

 これらの現象は突発的なため、ハワイに建設された「すばる」望
遠鏡のように年間スケジュールが決まっている超大型望遠鏡では観
測ができないことが多い。 このような現象の観測には大学や社会教
育施設(県立天文台など)に設置された中口径の望遠鏡がこれまで活
躍している。

たとえば、ガンマ線バーストが発生した場合まずそれは宇宙空間の
人口衛星に搭載されたガンマ線検出器で検出され地上に通報され、
世界の天文台が直ちに観測を試みる。昨年発生したガンマ線バース
トのように通報のあったのが日本時間の夜の場合、日本の望遠鏡が
まず観測することができる。アメリカ、ヨーロッパの望遠鏡は夜に
なるのを待たねばならない。昨年の場合は残念なことにはこれに対
応した日本の社会教育施設の望遠鏡は西日本にあり、曇りで観測で
きず、結局 先陣はヨーロッパにとられてしまった。 西日本が曇り
でも東北地区が晴れのこともある。そこで重要になるのは気象や地
震の観測同様中口径望遠鏡の観測網がいかにしっかりとしているか
である。あいにく、東北地区にはそのような中口径の望遠鏡が少な
く、山形地区には残念ながら無い。したがって、期待される観測成
果だけでなく、望遠鏡観測網の強化の意味で特に設置が期待される
装置である。

--------------全国の望遠鏡の分布

  また、望遠鏡の設置は学生の教育面においても成果が期待される。
  本計画の、暗い天体を捕える光子検出技術は世界最高水準のもの
である。また、背景光の除去、CCD特性の補正の技術も重要な教育
内容である。ここで学習される観測技術は博士課程の教育において
理工にまたがった人材の要請の目的におおいに貢献することは明確
である。

理論に偏りがちな学生の教育の中で望遠鏡を用いた観測の自習を行
なえることはより正しく科学する方法・天文学の方法を学習するた
めにも大変重要である。


---------- 望遠鏡の性能

望遠鏡の性能は研究目的を達成できるに十分なだけ高いことは
もちろんである。したがって、大きな口径の望遠鏡がのぞまれる。
しかし一方で、重量、振動障害など屋上という環境による
大きさの制限がある。
 設置目的を達成するために必要な仕様として、屋上という環境で
最大の引き出せる能力として達成可能な、星像3-4秒角、14等級の
星で測光精度 0.02等、視野10X15分角の能力を設定しこれを
実現する口径50cmカセグレン光学系・冷却CCDカメラを装備した。
市街地に立地するので、山形市はそれほどひどい光害状態ではないものの、
それでも街の明かりは観測上好ましくない。しかしCCDは背景の光を除去する
技術が適用できるので
上記の性能が達成可能になるのである。

  この仕様は、運用面でも容易にかつ安定した成果を出すことが、同様の望遠鏡を
持つ大阪教育大学や国立天文台公開望遠鏡で実証されている。

開かれた大学をめざして

 望遠鏡の設置については、山形地域の教育のために公開されたも
のを、と望む声が山形地区の教育関係者・市民、各方面からかねて
より出ていた。わたしたちは、一方で「小さな天文学者の会」を
創設し市民に対する普及活動をこれまでにおこなって来た。
本施設は地域の要請に答えて
小さな子供や身体に障害がある人
も容易に望遠鏡で観察できるような装置を装備する計画である。
市民が
アクセスしやすいという立地条件も好都合である。地域の宇宙に関
する普及事業の実績を既に積んでいるので、完成すれば、速やかに
地域の理科教育普及のために積極的に利用することができる。これ
は、地域開放型の大学を目指す方針とも合致する。

----活動の写真

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