現在ひろく信じられている階層的構造形成シナリオでは、銀河団 は、他の銀河団との合体や、より小さな銀河群の吸収を繰り返して 成長してきたと考えられている。衝突中の銀河団では、X線輝度 分布が、単純な球対称ではなくて特異な構造(下部構造、またはある 方向に延びていたり)をしめす。また、銀河団ガスの温度分布が複雑 になるなどのことが予想されている。じっさい、最近のX線観測に よってそのような銀河団がまさにみつかりつつある。
ここでは、我々が行った銀河団衝突の N体+流体 の数値シミュレーション の結果を紹介する。より詳しい情報は Takizawa 1999 (ApJ vol.520 p.514), や、 Takizawa 2000 (ApJ vol.532 p.183) を参照されたい。